22. 新たな作品
1940年代末から1950年代にかけて、多くの新作が続いた。Third Symphony[交響曲第3番](Op.62)、管弦楽組曲のKaledonische Suite[カレドニア組曲](Op.54)、Mäander[蛇行](Op.69)、Idyllikon[牧歌集](Op.79)、Piano Concerto[ピアノ協奏曲](Op.57)、カンタータLebenskreise[生の巡り](Op.70)などである。後者は「創立125周年を迎えたマインツLiedertafelと、その指揮者Otto Schmidtgen」に捧げられ、GoetheとHölderlinの詩に基づき、De Profundis[深き淵より]に対する肯定的な対重を成している。Gálはこの作品を次のように説明した。
「人生はいくつかの段階を経て進み、そのなかに絶え間ない変化と発展を認めることができる。これらの段階を6つのエピソードに分け、それぞれが人生のある側面と、それを見る特定の視点を扱う。6つの各部分が交響曲の楽章のように独立して展開され、楽章相互の関係も交響曲の連作の原理に対応しているという意味で、この作品は交響的な構造を持つ。」[Waldstein、前掲書、93頁より引用]
Gál自身、この二つのカンタータを自作の中心と位置づけていた。
この時期に管弦楽作品が数多く生まれたのは、英国だけでなくドイツやオーストリアでも、実際に演奏される機会が刺激となったことが、一因であるに違いない。英国では、とくに元弟子でBournemouth交響楽団の指揮者Rudolf Schwarzの働きが大きかった。なおSchwarzは、作曲者の生前に4曲の交響曲をすべて指揮した唯一の指揮者であり、その後はKenneth Woodsも全曲を指揮している。Gálにとって幸せな時期だったが、1964年、Otto Schmidtgenの痛ましい早世によって突然終わった。しかしいつものように、大規模な管弦楽作品と並んで、一連の声楽曲、ピアノ曲、室内楽曲も書いていた。合唱曲にはFour Part-Songs[4つの合唱曲](Op.61)、Two Songs for 4-Part Male-Voice Choir[男声4部合唱のための2つの歌](Op.63)、Satirikon[サテュリコン](Op.72)、Jugendlieder[青春の歌](Op.75)、A Clarion Call[ラッパの呼び声](Op.76)、Of a Summer Day[ある夏の日のこと](Op.77)がある。ピアノ曲にはTwo Sonatinas[2つのソナチネ](Op.58)、Drei Marionetten[3体のマリオネット](Op.74)があり、室内楽にはClarinet Trio[クラリネット三重奏曲](Op.97)とCello Sonata[チェロ・ソナタ](Op.89)も挙げられる。
